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--- 注がれる好奇の目 ---

『十二院房』を出て、外界で初めて晒す自分の女装姿。
それは、春香さんにとってとてつもなく大きな羞恥のプレッシャーでした。

『もうこれ以上耐えられない。あと少しで駅に着く。着いたら急いでタクシー乗り場に行こう』
春香さんが乗ったバスが終点の三途駅に着くと、駅前のロータリーには数台のタクシーが止まっていました。
春香さんはそのタクシーに乗ろうと思い『十二院房』の調教官から手渡されたバッグの中の交通費を確認しました。
『えっ、これだけ!? 』
しかし、入っていたのは千円札が二枚だけ。
この金額では、小銭入れに入っている分を加えても電車で帰るのがやっとです。
春香さんは思案の末、人の多くなる都心部の手前の駅までは電車を利用する事にしました。
『このあたりはまだ人も少ない。もう暫くは恥ずかしくても我慢しよう。とりあえず、男だとわからない様に女らしくしていれば・・・・・』
とはいっても、すでにバスの中で男だとわかってしまっている事もあり、春香さんは不安でたまりませんでした。
しかも、その答えはすぐに返って来ました。
「あっ・・・・あの人オカマよ。あんな短いスカート穿いてよく恥ずかしくないわね」
「おい、あれニューハーフだろ?」
「いや、ニューハーフって言うのはもっとあか抜けていないと。あれはただのオカマだよ」
ホームを歩いているだけで、まわりからそのような後ろ指を指す言葉がいくつも春香さんの耳に飛び込んで来ます。
『見・・・・見られている。まわりの全ての人から見られているような気がする・・・・・。でも、何でなんだ? 声さえ出さずに女らしくしていれば男だとわからないと思っていたのに・・・・・』
春香さんは不思議でなりませんでした。
これまで数ヶ月の間『十二院房』で『女』として調教され、春香さん自身それなりに『女』に見える自信があったからです。
しかし、じつはそこに『十二院房』の女性化システムの盲点・・・・いや、狙いの一つがあったのです。
そして、その答えとなる現実がやがて春香さんに訪れる事になります。
『僕がいったい何をしたと言うんだ・・・・・』
春香さんは、まわりの人たちの心ない言葉に悲しみに暮れました。
『とにかく、どこかに座ろう』
そう思って空いている電車のシートに座ると、その前の席には二人の乗客が・・・・・・。
春香さんはその乗客と目をあわせない様にし、その二人から脚の隙間を覗かれない様両脚を揃えて閉じ、右方向に流した形で座りました。
『せっかくあの施設から出られたというのに、僕はいつまでこのように『女』を演じていなければいけないんだ』
俯いた視界に映る自分のスカートから伸びた脚を見ながら、春香さんはがっくりとうなだれていました。
そんな中、何気なく顔を上げ正面の乗客を見ると一瞬目が合い、次の瞬間、その乗客がまるで『まずい』とも言わんばかりに目を離しました。
『や・・・・やはり見られていた。僕の・・・・女の格好をした僕の姿がそんなにおかしいというのか・・・・くそっ!』
もはや春香さんは羞恥の限界に来ていました。
しかし、ここはただ耐えるしかありません。
もう少し我慢すれば、都心に近い駅にたどり着きます。
『よし着いたぞ、この駅で降りよう。ここからなら二千円あればタクシーで家まで行ける』
電車のドアが開くと春香さんは急いで飛び降り、反対ホームの出口へ向かう為、上りの階段を一気に駆け上がりました。
『それにしても、タイトスカートって何て身動きが取り難いんだ・・・・思うように階段を上れない。しかも、ハイヒールだし・・・・・』
歩幅の取れない窮屈なタイトスカートに、春香さんはただ苛つくばかりでした。
『よかった、タクシーが止まっている』
駅前のロータリーに出ると、タクシー乗り場にタクシーが止まっているのを確認し、春香さんはほっとしました。
「どちらまで?」
「南ヶ丘公園までお願いします」
タクシーに乗り込むと運転手から行き先を聞かれ、ここでも春香さんは精一杯女らしく振舞いました。
「お客さん、夜遅い仕事だと大変だね」
「夜遅い・・・・・仕事?」
「お客さん水商売の方でしょ? 見ればすぐわかるよ。最近はニューハーフの人を乗せる事多いんでね」

ここでもやはりすぐに男である事がわかってしまった春香さん。
実社会においては、自分などまだまだ不完全な『女』でしかないのだと実感する春香さんでしたが、男として社会復帰したいと望む春香さんにとっては、逆に喜ぶべき現象と言えるのかもしれません。

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08/25|女装子十二陰棒コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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 ひとみ絵里

Author: ひとみ絵里
性 別 :  人工微女

初めてスカートを穿いた日が私の誕生日です。ちなみに、小説の中で時々登場するめぐみ(恵一)のイメージ画像のモデルは一部を除いて私自身です。

    ♥ お話について ♥
このお話はフィクションです。お話の中に登場する人物名・会社名などはすべて架空のものです。また、このお話の著作権や私自身の画像に関しては、すべてわたし・絵里に帰属致しますので、無断で転載やご使用なさらないでくださいね。

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