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 第3話 恵一を待ち受けていた現実 

 睡眠剤入りの点滴により再び深い眠りに入っていた恵一の意識が戻ったのは、その翌日だった。その時、恵一の目の前にいたのは隆一郎ではなく執刀医の洋祐だった。

「あっ、洋祐さ・・・・・」
「やっと気が付いたようだね」
「わたし、いったい・・・あぁぁ、痛いっ!」
「おっと、まだ身体を動かしては駄目だ。もう全身の麻酔は完全に切れている。患部は冷却剤で冷やし鎮痛剤も打ってはあるが、痛みは完全には止められない」
 たしかに洋祐の言う通り、両脚の付け根から下腹部にかけて異様な痛みが襲っていた。特に脚の付け根の部分はまるで何かを強引に詰め込んであるような膨満感が感じられた。
「局部には患部が癒着しないよう色々な詰め物がしてある。少し違和感を感じるだろうけど、しばらくは我慢するように。まぁ、あと2、3日もすれば患部の腫れも徐々に治まり、二週間もすれば縫合している糸も抜けるだろう。それにメスの入れ方にも工夫をしてあるから、比較的早い時期に傷口も目立たなくなると思う」
「・・・・・洋祐さん」
「うん・・・・何だい? めぐみさん」
「わ・・・・わたし、本当に女の身体に?」
 なってしまったのですか?・・・・と、恵一が無機質な声で洋祐に尋ねた。
「あ・・・・あぁ、本当だ。君の身体は見た目はもう女性と同じだ。ただ、しばらくは術後のケアがいろいろと必要になる。特にあと一週間くらいは膣の拡張器を使って内部をうまく広げていかないと後で大変だ」
「・・・・・膣?」
「あぁ・・・・そう、膣だ。君の身体に新しく作られた女性の器官だよ。そして、その奥には・・・・・・」
 この事はまだ言わない方がいいだろう。今のめぐみさんには刺激が強すぎる・・・・そう判断して、洋祐がある事実を言いかけてやめた。
「と・・・・・・とうとうわたし、女の身体になってしまったのね」
 具体的な女性器の名前を耳にしたのはやはりショックだったのだろう。いつの間にか、恵一の目は涙で潤んでいた。
「そうか・・・・そうだよな。こんな刺激の強い話をいきなり聞かされたのではショックを受けるのも無理はない。君は好き好んでこの手術を受けた訳ではないのだからね」
 洋祐は、軽率だった自分の言動を後悔した。
「では、僕はそろそろ戻るよ。不安だろうけど、気持ちをしっかり持ってね」
「あのぅ・・・・・・洋祐さん」
「何だい?」
「洋祐さんは、いつまで日本にいられるんですか?」
「来月の8日だ、その日の午後・・・・・出発だ」
「では、もうあと二週間ちょっとしか一緒にいられないのですね」
「あぁ・・・・そうだね。残念だけれど・・・・・・」
「また、戻って来てくださいますよね?・・・・すぐに」
「さぁ・・・・・どうかな。医者という仕事も、常に移動を繰り返して勉強を続けていかなくてはいけない職業だからね。だから、またここに戻って来られるのはいつになるか・・・・・・」
「嫌っ、嫌よ! 洋祐さんに・・・・・もう逢えないなんて」

 性転換手術を施されたショックと洋祐との別れ、二つの悲しみが恵一を襲う。

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08/28|人工美女の館 (第二部)コメント(1)トラックバック(0)TOP↑
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From:  * 2008/08/29 00:18 *  * [Edit] *  top↑
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 ひとみ絵里

Author: ひとみ絵里
性 別 :  人工微女

初めてスカートを穿いた日が私の誕生日です。ちなみに、小説の中で時々登場するめぐみ(恵一)のイメージ画像のモデルは一部を除いて私自身です。

    ♥ お話について ♥
このお話はフィクションです。お話の中に登場する人物名・会社名などはすべて架空のものです。また、このお話の著作権や私自身の画像に関しては、すべてわたし・絵里に帰属致しますので、無断で転載やご使用なさらないでくださいね。

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