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 第33話 放たれた矢 

 俊恵と同じく、特別室へ連れて来られるまでその理由を説明されていない参列者がいた・・・・恵一の元恋人・葉子だ。その日の朝、いきなり閉じ込められている部屋へ隆司が現れると、強引に黒のワンピースの礼服に着替えさせられ、この部屋まで連れて来られたのだ。

「おまえのような『女奴隷』と変らない立場の人間が、このような場に参列出来る事を感謝しろよ」
「このような・・・・って、いったいこれは何なんですか? なんでわたしをこのようなところへ・・・・・」
「これからここで兄貴が結婚式を挙げるんだ。おまえは、その数少ない参列者の一人という訳さ」
「隆一郎さん・・・・の? わたしは、そんな式などには参列したくありません。もう、部屋へ帰して下さい」
「そんな事を言っていいのかな? あとで後悔する事になっても知らないからな」
「後悔? なんでわたしが後悔しなくてはいけないの?」
 隆司の意味ありげな言葉が、葉子にはとても気になった。
「なんで・・・・って、おまえの知り合いが結婚するからさ」
「だから、なんで隆一郎さんの結婚式にわたしが出なくてはいけないのって・・・・・」
「言っておくが、おまえの知り合いって・・・・・兄貴の事じゃないぜ」
「えっ、隆一郎さんじゃ・・・ない?」
「教えてやろうか」
「・・・・・・・?」
『いったい、隆司さんは誰の事をいっているの? なんだかとても気になる・・・・でも』
 隆司の思わせぶりな態度に、葉子はその人物の名前を知るのが恐くなって来ていた。
「では、教えてやろう。おまえの昔の恋人・・・・と言えば分かるかな?」
「昔の恋人って、恵・・・恵一さん あっ!!」
 葉子はこの瞬間、以前、隆一郎と交わしたある会話を思い出していた。以前、恵一と二人で地下の檻に閉じ込められた際に隆一郎から聞いたあの時の言葉だ。
「で・・・では、隆一郎さんの結婚相手って・・・・・・・まさか」
「どうやら、思い出したようだな。おまえはすでに兄貴から聞いているはずだ。めぐみが・・・・いや、恵一が隆一郎兄貴と結婚するという事を」
「嘘・・・嘘よ。あれは、わたしをいたぶるための嘘だわ。男同士で結婚させるなんて、あまりにも酷すぎるわ」
「だから、恵一には女の姿になってもらったという事さ。それならば、もう不自然でも何でもないだろう」
「いくらうわべだけ女の姿になっても、男である事に変りはないわ」
「・・・・・はたして、そうかな?」
「えっ、それはどういう・・・・・?」
 隆司は恵一が性転換手術を施され、身体まで女に変えられてしまった事実を葉子に話したくてうずうずしていた。しかし、恵一との当初からの交換条件という事もあり、それを直接口にする事は出来なかった。
「まぁ、いずれ分かるさ・・・・いずれな。それよりも、場内が少しずつ暗くなって来たぜ・・・・二人のご登場だ。兄貴に寄り添う恵一の姿を思う存分その目に焼き付けておくんだな、ふふっ」

 暗闇の中、正面のステージの幕が上がり後方に向かってスポットライトが放たれた。
 同じ光景を三者三様の気持ちで見つめる特別室の参列者三名・・・・その複雑な胸中は。

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09/24|人工美女の館 (第二部)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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 ひとみ絵里

Author: ひとみ絵里
性 別 :  人工微女

初めてスカートを穿いた日が私の誕生日です。ちなみに、小説の中で時々登場するめぐみ(恵一)のイメージ画像のモデルは一部を除いて私自身です。

    ♥ お話について ♥
このお話はフィクションです。お話の中に登場する人物名・会社名などはすべて架空のものです。また、このお話の著作権や私自身の画像に関しては、すべてわたし・絵里に帰属致しますので、無断で転載やご使用なさらないでくださいね。

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